
西原 由紀子(にしはら ゆきこ)
石垣島カヌーショップ マリンメイトルアナ ガイド石垣島北部・野底出身。父が1983年に創業し、1992年から吹通川でカヤックを扱ってきた店を2018年に継承。ガイド歴9年目。
わたしと吹通川
石垣島北部・野底で生まれ育ちました。実家は吹通川から2,300mほどの場所にあります。
小学生の頃は、兄弟でよく川へ行きました。当時の吹通橋は今より短く、川幅が狭かった分、水は深く、流れも速かった。ウミヘビを掴んで遊んだり、魚を捕りに行ったり——今の浅くなった吹通川しか知らない方には、想像がつかないかもしれません。橋が延長されてから、川は少しずつ姿を変えました。子どもの頃の吹通川と今の吹通川、その両方を知っていることが、私のガイドの原点です。
父が始め、私が継いだ店
この店の始まりは1983年。父がドライブインとして創業しました。釣船、民宿、マリンスポーツ——時代に合わせて形を変えながら、1992年、この吹通川でカヤックを始めました。当時はまだガイドなしのレンタルカヤック。規制ができる前から、この川とカヤックの歴史は続いています。2000年頃、ガイド同行が必須となったのを機に、本格的なガイドツアーになりました。
私自身は、携帯電話の販売店で15年働いたのち、父の病気が転機になりました。宿は閉め、ダイビングは弟が市街地で続けることに。それでも「カヤックは残したい」——父のその希望を受けて、2018年、夫婦でこの店を継ぎました。ガイドとして9年目。創業から43年、吹通川エリアで最も長くカヤックを扱ってきた歴史を、いま預かっています。
9年ガイドをして、見えるようになったこと
同じ川でも、月齢によって水の勢いはまるで違います。大潮と小潮では流れの強さが変わり、漕ぐ力の使い方も、選ぶルートも変わる。干潮の時間帯にツアーを始めてから、「マングローブは根っこが見えた方がいい」と感じるお客様が多いことにも気づきました。教科書ではなく、この川に毎日出ているから分かることを、ツアーでお話ししています。
少人数制にこだわる3つの理由
当店は1日3便・各便2組限定です。定員を増やせば売上は増えますが、増やしません。
1. 思い出を形にしたいから。
人数が多いと、一人ひとりの写真が撮れません。ガイドが20〜30枚の写真と動画を撮影し、当日その場でお渡しします。
2. 話が届く距離でいたいから。
大人数では、ガイドの声が後ろまで届きません。生き物の名前も、この川の話も、全員に聞こえる距離でご案内します。
3. 安全のため。
吹通川のツアーは海から戻る場面があります。艇の数が多すぎると、1人のガイドでは全員を見守りきれません。「見てもらえている」という安心感まで含めて、少人数制です。
資格と安全への取り組み
- The British Sub-Aqua Club スノーケルインストラクター
- OKCA(特定非営利活動法人 沖縄県カヤック・カヌー協会)SUPインストラクター
- 八重山ライフセービングクラブ 救急救命講習(毎年更新)
- 年1回の泳力テスト、転覆時・意識不明者の救助訓練、危険生物・AED講習を継続受講
開業以来、救急搬送を伴う事故はゼロです。それでも「絶対」はないと考え、毎年講習を受け直しています。
忘れられないお客様
サンセット&ナイトの後、「入籍しました」と連絡をくれたカップルがいました。ここでプロポーズをした方も。カップルで来てくれた方が、数年後にお子さんを連れて戻ってきてくれたこともあります。
小学生のお子さんが、川の雰囲気を感じ取って「ここは神様がいるかも」と言ったこと。カヤックの上に寝転んで空を見ているうちに、涙を流された方がいたこと。母の手作りフレッシュジュースを気に入って、「また来るね」と毎年来てくださる方は、今年で3回目の来店でした。
累計10,000名。その一人ひとりに、この川の一番いい顔を見せたくて、今日も漕いでいます。
- Google ★5.0(195件)
- じゃらん ★4.9(108件)
- たびらい ★4.73(114件)
