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吹通川(ふきどうがわ)——1973年から天然記念物、地元では「ふきどう」と呼ぶ川。

 吹通川とはどんな川ですか?

石垣島北部・野底エリアを流れる全長約2.2kmの川です。河口域には植生全長約700m・面積19.0haのマングローブ林が広がり、1973年(昭和48年)1月13日に石垣市天然記念物に指定されました。

指定から53年。「日本の重要湿地500」にも選ばれ、西表石垣国立公園に含まれています。

そしてもうひとつ、数字に表れない特徴があります。上流に人家がほとんどなく、家畜もいないため、生活排水が流れ込まないこと。吹通川の水の澄んだ表情は、この地形が守っています。


 どんなマングローブが見られますか?

カヌーから間近に観察できるのは、主にヤエヤマヒルギオヒルギの2種です。

タコ足のような支柱根を広げるのがヤエヤマヒルギ、膝のように曲がった根を水面から出すのがオヒルギ。樹高6mを超える木々が、川を覆うトンネルを作ります。

※市の植生調査では1科3種が記録されていますが、メヒルギは種子が流れ着くことはあっても、自生している姿を私は見たことがありません。——こういう「記録と現場の違い」も、毎日川に出ているから話せることです。

なお「マングローブ」という木はありません。マングローブとは、ヒルギなどの植物が生い茂る汽水域一帯の総称です。世界には約100種類のマングローブ植物があると言われています。


 干潮と満潮で、景色はどう変わりますか?

干潮時

根が剥き出しになり、マングローブの「森」の迫力が出ます。干潟に生き物が現れ、観察には最適です。水はやや濁りますが、それでも当店のお客様には、生き物と森の迫力に出会える干潮時の満足度が高い傾向があります。

満潮時

水位が上がり、透明度が上がります。枝葉が目の前に迫り、根の間に隠れる魚を探す楽しみがあります。


 どんな生き物に会えますか?

  • シオマネキ:ハサミを振る姿で人気ですが、実は気温20度を下回ると活動を止めます。12月〜3月下旬、寒い日や雨の日は出てこないことも。「シオマネキはいつでも手を振っている」わけではありません。
  • エビ・ハゼ・カニ・シャコ:通年見られます(季節で活動量は変わります)。
  • :エビが多数。運が良ければオオウナギやノコギリガザミも。
  • 野鳥:クジャクやアカショウビンに出会えることがあります。

 この川は、どう変わってきましたか?

植林した木々が大きく育った一方、砂の移動が激しくなり、川は浅くなりました。大雨や嵐のたびに砂州が動き、マングローブの中に砂が入り込みます。

そして、海の変化。野底の海は、絶滅危惧Ⅱ類の海草ウミショウブの分布北限です。2020年頃から急速に減り、花が咲く姿をほとんど見なくなりました。原因のひとつは、保護活動で増えたアオウミガメによる捕食とされています。この野底の群落は2024年、環境省の「自然共生サイト」に沖縄県で初めて認定され、地元の小学校や企業による再生活動が続いています。

温暖化なのか、ウミガメが増えたからなのか——正直、原因は分かりません。ただ、1992年からこの川でカヤックを扱ってきた店として、変わっていく風景を記録し、お伝えしていきます。


 アクセス

  • 新石垣空港から車で20分
  • 川平湾から車で21分
  • 石垣島市街地から車で33分
  • 駐車場5台(無料)
  • 路線バスは東運輸「伊土名」下車


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